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2006 04,19 11:07 |
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「アスペクト」というと、世間では(といっても私の周辺しか分かりませんが)、最初に連想するのがアスペクト比で、次がアスペクト指向のようです。ところが、学生時代に言語学にはまっていた私としては、「アスペクト」と聞いて最初に連想するのは、どうしても文法上の「相」なのです。
では、文法上のアスペクト(=相)とは何なのかについて、今回は書いてみたいと思います。アスペクト比やアスペクト指向の話だと思って見に来られた方、ごめんなさい。でも、せっかくなので見ていってください。 文法上の相(aspect)というのは、態(voice)や時制(tense)と並んで、述語の状態を表す概念です。「態」は能動態とか受動態とか使役態といったものですし、「時制」は現在、過去、未来といった時間の概念を表すものです。そして、「相」は動作の完成度を表すものです。 動作の完成度とは何かというと、要するに、開始、継続、完了、終止といった概念です。日本語の場合、次のような具合になります。
ところで、「アスペクト」という用語は占星術でも使用するようです。何でも、火星とか木星とかの天体がなす角度を意味するようで、生まれた時刻が分からない場合でも、アスペクトを利用すれば概要がつかめるそうです。 今回もまた、どうでもいい話を書いてしまいました。ところ変われば品変わるではないですが、普段何気なく使っている用語も、分野が変われば全く違った意味になるということですね。 PR |
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2006 04,13 00:52 |
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2006 04,12 01:04 |
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この春から長女が小学校に通い始めました。幼稚園の頃から少しずつひらがなを練習していたのですが、ある程度わかるようになってくると、いろいろと疑問が出てくるものです。
先日も、ぱ行に用いる「半濁点」はなぜ○を書くのか、という話題になりました。尋ねられてしまうと、小学一年生相手に、馬鹿正直に答えてしまうのが私の性分です。 というわけで、半濁点はなぜ○を書くのかですが、昔は清音に不濁点(濁音ではないことを表す記号)として、右上に○を一つ書いていたのですね。そして、濁音は右上に○を二つ書いていました。この○二つは、やがて簡略化されて点二つになり、それが現在の濁点になっています*1。 半濁点は、もともと不濁点だったわけですが、では、ぱ行は清音なのでしょうか? 実は、日本語の発音というのは、時代とともに結構変化しているんですね。平安期から鎌倉期にかけては、母音の発音は旧仮名遣いそのものでした。「今日(けふ)」は、大雑把にいうと、鎌倉期に「けう」になり、室町期になってやっと「きょう」になるんですね。 母音の変化は旧仮名遣いからある程度想像が付くのですが、子音の変化はなかなか分かりません。中国人が音訳したものや、ポルトガルの宣教師が書いた文献などをもとに、いろいろ研究されているようです。そして、どうやら、は行の子音は、大昔は [p] 音だったようなのです。それがやがて、[F] 音(現在の「ふ」の子音)になり、江戸後期に [h] になったようなのです*2。室町期のなぞなぞで、「母には二度あいたれど、父には一度もあわず」というのがあり、その答えが「唇」ということなのですが、 [F] 音で発音していたのであれば合点がいきます。おそらく、古代には [p] 音で発音していた「は行」は、中世に入って [F] 音に変化したわけですが、漢語を発音する上で、再び [p] 音が復活し、それが「ぱ行」になったものと思われます。例えば、「海」という字の音読みは「かい」ですが、元の子音は [x] 音(ドイツ語の Buch の ch や、スペイン語の j と同じ音)だったものと思われます。そして、上代から古代の日本語には [x] 音も、それに近い [h] 音もなかったため、[k] 音が当てられたものと思われます。それが後の時代になると、日本語に [h] 音が現れていたこともあって、「上海」のように「はい」と音読みするようになったのでしょう。妻は、それなりに興味深そうに説明を聞いていましたが、長女にはチンプンカンプンだったようです。こんな内容を小学一年生に説明するには、一体どうすればよいのでしょうね。 *1 実際には、点を三つまたは四つ書くケースもあったようです。 *2 正確には、「ひ」の子音は [ç] (ドイツ語の ich の閉子音と同じ音)ですし、「ふ」の子音は [F] になります。 |
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